MCR流 機械式LSD組込
最初にイニシャルトルクを計測しておきます。
デフを分解します。
社外の機械式デフを組み込むにあたって、一般的なショップさんは、デフの中身は分解せずにそのまま取り付ける場合の方が多いでしょう。
しかし性能を求めるお客様は分解することをお勧めします。
ディスクとプレートを洗浄してから定盤の上に乗せて反り具合を確認します。
新品のデフでもNGな場合があります。
(メーカーの製作工程において、プレスで抜いてディスクやプレートを製作するため。)
バリ取りをします。
バリがあるとスムーズにディスクとプレートが滑らないため本来の性能を発揮できません。
バリ取りが終わったディスクとプレートに砥石をあてます。
細かい凹凸がなくなり均一な当たり面になります。
ディスクとプレートの厚さを計測します。
次回オーバーホールした時にどれくらい摩耗したかを確認したり、厚さを組み合わせてイニシャルトルクを調整したりするためです。
デフケースもバリ取りをします。
特にプレートのツメが入る溝にバリがあるとスムーズにプレートが動かないため引っかかってしまい、トルクがかかっていない状況でデフが効いてしまうことがあります。
選択するタイヤや足回りのセッティングを元に
経験豊富なMCR小林が最適なカム角を選択し、ディスクとプレートの組み合わせを決定します。
この写真の場合2組のプレートとディスクを入れ替えています。
入れ替えなしの場合は片側8面当たりですが、
1組入れ替えた場合6面当たりになり75%
2組入れ替えた場合4面当たりになり50%
となります。
歯当たりの確認、調整をします。
バックラッシュの確認、調整をします。
以上のように組み込んだデフは分解前に計測したイニシャルトルクと差が出ます。(ディスクとプレートの組み合わせを分解前と変更していない場合でも。)
例えば、[バキッ…バキッ…バキッ…]と効いていたデフが[カッカッカッカッカッカッ]と変わり、違いを体感できるほどです。
MCR流 機械式L.S.D.の取付紹介でしたが、
予算に合わせて取付方法が違いますので、ご理解いただけたらと思います。